《ブラジル》セルジオ・モロとバルボーザ氏の会談不調=大統領選への協力断られる

バルボーザ氏(Felipe Sampaio/STF)

 大統領選への出馬が有力視されるセルジオ・モロ氏は10日、リオで元最高裁判事のジョアキン・バルボーザ氏と会談を行った。バルボーザ氏へ出馬を促す内容とも目されたが、バルボーザ氏はモロ氏に対する選挙での協力を断った上、不信感まで抱いたという。12日付フォーリャ紙が報じている。
 この会談はモロ氏が申し出たもので、バルボーザ氏が「失礼のないように」と受けたという。会談では、司法改革や政治のことが語られ、モロ氏への選挙協力も要請されたと見られている。
 だが会談後、バルボーザ氏の側近がフォーリャ紙に語ったところによると、バルボーザ氏は大統領選でモロ氏の副候補になることや、同氏の所属政党ポデモスのリオ州知事選候補になることを断ったという。
 側近はさらに、バルボーザ氏が会談後、「モロ氏がラヴァ・ジャット作戦の捜査官や軍人と接近することには賛同できない」と述べていたと語っている。

 バルボーザ氏は最高裁在籍時の2012年に、メンサロン裁判の報告官として、労働者党(PT)政権の政治家に対しても強く求刑して注目を浴びた。そのことから、ラヴァ・ジャット作戦の担当判事として注目を浴びたモロ氏との類似点を指摘する声はあった。
 だが、PTの政治家たちを裁いてはいるものの、モロ氏とバルボーザ氏の政治観は大きく違うことも指摘されていた。保守派で知られるモロ氏に対し、バルボーザ氏は左派寄りで、2018年には中道左派のブラジル社会党(PSB)に入党して大統領選に出馬する直前まで行ったことがある。
 バルボーザ氏は、モロ氏が2018年の大統領選直後にボルソナロ氏からの法相就任依頼を受諾した際、批判する発言も行っていた。
 モロ氏は現在、大統領選での協力者を求めて全国をかけまわっている最中で、11日はブラジリアで自身の経財相候補のマルコス・シントラ氏と電話で会談。12日にはサンパウロ市を訪れている。

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