ブラジル将棋連盟=新会長にジェームスさん=73年の歴史で初の非日系

ジェームス会長と吉田前会長(左から)
ジェームス会長と吉田前会長(左から)

 ブラジル将棋連盟は昨年12月4日、サンパウロ市の同連盟事務所にて運営理事会を行い、ジェームス・マン・デ・トレドさん(60)を会長に選任した。1948年の会創設以来、非日系人の会長就任は初となる。
 ジェームスさんは元プロチェスプレイヤーで国際チェス連盟の定める「インターナショナルマスター」の称号とサンパウロ州チャンピオン、ブラジルランキング最高2位の経歴を持つ人物。現在はチェス教室を主宰している。
 日系人の妻との出会いを機に将棋を知り、傾倒。自身のチェス教室でも将棋を教えるようになった。ブラジルでの将棋文化普及を目指して連盟の活動にも参加するようになり、子供将棋大会の運営などに尽力。2015年からの6年間は副会長を務めた。
 「コロナ禍で中断している対面での活動や大会を再開したい。オンラインを活用した普及活動も積極的に行いたい」と抱負を語った。
 5年間会長を務めた吉田国夫さん(二世、83)は今後、総務担当理事としてジェームスさんを支える。「日系人を中心とした会員の高齢化と減少が進む中、将棋を学びたいという若いブラジル人は増えている。ジェームスさんは非日系だが、連盟のあり方や日本文化を理解し、伯人への普及に非常に熱心。彼ほどの適任者は他にいない。ぜひ皆さんにも彼の応援をお願いしたい」と述べた。
 新たな役員体制は以下の通り。【会長】ジェームス・マン・デ・トレド【副会長】川合明【総務】吉田国夫【会計】山口栄一【渉外・書記】石川達也。

事務所再開を延期

 ブラジル将棋連盟は新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大傾向を受け、15日(土)に予定していたリベルダーデ区の同連盟事務所兼対局室の再開延期を決定した。再開見込みは未定。

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