【新年創刊特別号】県連=3年ぶりに日本祭り開催へ=7月15・16・17日に=新しくハイブリット形式で

昨年開催したオンライン日本祭り時の様子

ついに動き出した3年ぶりの日本祭り

 世界最大の日本文化紹介イベント「県連日本祭り」が、3年越しの開催にむけて動き出している。コロナ禍を乗り越えて、ブラジル日本都道府県人会連合会(市川利雄会長)は「第23回日本祭り―夢を現実に―」を、今年7月15日・16日・17日の3日間、サンパウロ・エキスポ・センターで開催する予定だ。
 実際の会場とライブ配信のハイブリット形式で開催することから、今まで以上に幅広い層に日本文化を紹介することができると予想されるため、昨年来、県連及び県人会が総出で計画の具体化に取り組んでいる。

県連の日本祭りとは

谷口ジョゼー日本祭り実行委員長

 県連の日本祭は、日本移民90周年を記念して1998年から「郷土食郷土芸能祭」として開始され、第5回の2002年から現在の「日本祭り(Festival do Japão)」に名称変更され、今回23回目を迎える。
 同祭りは、現地主催の日本文化をテーマにしたイベントとしては本国以外では世界最大規模を誇る。この日本祭りが成功したことから、ブラジル全国で同様の日本イベントが企画されるようになり、それぞれ数万人規模の集客をするまでに広がっている。県連日本祭りは、今では各地のイベントの見本として、ますます重要性を増している。
 実際、県連日本祭りは、日本人移住110周年の2018年には3日間で、21万人以上の入場者を集めるほどの実績をもつ。この18年開催時は、日本から眞子内親王(当時)がご臨席されたことは記憶に新しい。
 そして日系・非日系を問わず多くの政治家が駆けつけたほか、『510種類以上の日本食を提供する日本国外の祭り』としてギネスにも挑戦するなど、県連を中心に日系社会の団結力を見せつける一大イベントとなっていた。
 来場者は、開催当初は日系人や日本人が多かったが、ブラジルでの日系移民の貢献などが功を奏してブラジル人が日本文化にも興味を持ち、現在ではブラジル人の来場者も多い。現在では来場者の約70%がリピーターだという。
 本年開催される「第23回日本祭り―夢を現実に―」は、本来は2020年に開催される予定だった。だが同年から始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響で、翌21年まで開催できなかった。しかし、昨年から感染対策が功を奏した結果、感染対策の自粛が緩和し、本年は実に3年ぶりの開催の見通しが立ってきた。

テーマ『夢を現実に』

 今年の日本祭りのテーマは『夢を現実に』。このテーマには、コロナ禍の自粛により、皆がイベントに参加したいが実現できなかった『夢』が、開催によって『現実』になるという意味が込められている。
 感染対策は必須であるため、より安心安全に来場者が参加できるよう、会場では対策を徹底するよう心がけている。
 その準備として、昨年12月4日に日本国外務省の助成金によって開催実現した県連オンラインイベント「イベント再起&コロナ予防管理オンラインシンポジウム」では、どのように感染対策を徹底してイベントを再開すればいいかを、同種のイベントを企画開催する他の日系団体と情報共有した。
 さらにこのテーマには、このコロナ禍前には考えられなかった『夢』の新システムや新様式などが『現実』に日本祭りに導入できるよう検討している思いも込めているという。
 以前から郷土食販売ブースで長蛇の列ができることが課題とされており、それを解決するために新決済システムPIX導入や、リスクがある高齢者を考慮して日本祭りをオンライン中継するハイブリッド方式などが現在検討中だ。コロナ禍によって進化したシステムを使用して、新しい形の日本祭り開催案が練られている。

40県以上の母県料理と盛大なショー

 なんといっても同祭最大の魅力である、各県人会による母県料理販売には、既に40以上の県人会参加が決定している。この料理販売では各会が母県料理を振る舞うので、日本にいかずとも全国各所の料理を食べられることで定評がある。
 なかには、日本でも食べたことがなかったような珍しい料理、ご当地スイーツ(菓子)もあり、新鮮味のあるメニューが毎回出されることで話題を呼んでいる。
 その他にも、勇壮な演武から盛大なコスプレコンテストや歌謡ショー、バンドによる演奏、茶道や折り紙に将棋、アニメや漫画などの多彩な日本文化体験など、これまでのような老若男女問わず楽しめる大規模な祭りを計画中だ。
 市川会長は、「まだコロナ禍は終わっていませんが、なんとか開催への見通しがたちました。ここまで、首を長くして待っていただいている皆さんには本当に申し訳ありません。ですが、3年越しの日本祭りはこれまで以上に新しく面白く盛大に、そして安心安全になるように計画しているので楽しみにお待ちください」と期待をよせた。
 同祭実行委員長の谷口ジョゼー氏は、「ここまで支えてくださった参加企業や日系団体の方々、来場者の皆さん本当にありがとうございます。今年の日本祭りは従来に加えて『ハイブリッド方式』を導入し、より一層魅力ある祭りにしたいです。ぜひ皆さんお楽しみに!」と呼びかけた。

最新記事